原子と原子核

原子と原子核

私たちの体や食べ物、空気、水、洋服、机など、身の回りのすべての物質は、「原子」の結びつき(組み合わせ)によって作られています。
原子は、「原子核」とその周りを動く「電子」から、さらに原子核は、「陽子」と「中性子」からできています。

原子は、とても小さく約1 億分の1cm の大きさしかなく、原子核は、さらに小さく約1 兆分の1cm の大きさしかありません。
原子の化学的性質は、陽子の数(原子番号)によって決定されます。

物質を構成する原子の種類を「元素」といい、世の中には、およそ110 種類ほどがあります。
原子には、陽子の数が同じでも中性子の数が異なるものが存在する場合があり、これらを互いに同位体といいます。 

原子から出る放射線

自然界に存在する炭素原子の約99%は陽子と中性子がともに6 個の炭素12 ですが、中性子が8 個の炭素14 もわずかに存在します。炭素14 は不安定な同位体で、安定な窒素14 に変わる際に放射線を出します。

放射線とは、高いエネルギーをもった高速の粒子(粒子線)や電磁波のことをいいます。放射線は目に見えませんが、物質を透過する性質や原子を電離(原子中の電子が増減すること:イオン化)する性質があります。高速の粒子の放射線には、α線、β線、中性子線などがあります。

また、電磁波は波の性質をもっていて、テレビやラジオの放送に使われている電波や自然の光なども含まれますが、電磁波のうち波長の短い(エネルギーの高い)X線やγ線を放射線として区別しています。

出典:文部科学省「中学生・高校生のための放射線副読本」より作成