放射線の種類と性質

放射線の性質

放射線には、α線、β線、γ線、X線、中性子線などの種類があります。どれも物質を透過する能力をもっていますが、その能力は、放射線の種類によって程度が異なっています。

例えば、α線は紙1 枚でも遮ることができます。β線は紙1 枚では遮ることはできませんが、アルミニウムなどの薄い金属板で遮ることができるなど、放射線は種類によって材料や厚さを選ぶことにより遮ることができます。

また、放射線は、風邪のように人から人へうつることはありません。これは人が光を受けても、その人が光を出すようになるわけではないのと同じです。


放射線、放射性物質、放射能

放射線を出す物質を「放射性物質」といい、いろいろな種類があることがわかっています。また、放射性物質が放射線を出す能力を「放射能」といいます。放射線を光に例えると、放射性物質は電球、放射能は光を出す能力に例えられます。

また、放射性物質のほか、人体や物の内部を撮影する機械なども、電気を使ってX線などの放射線を発生させることができます。

人が放射線を受けても、放射線が体にとどまることはなく、放射線を受けたことが原因で人が放射線を出すようになることもありません。また、万一、服や体に放射性物質が付着してしまった場合でも、シャワーを浴びたり衣類を洗濯したりすれば洗い流すことができます。

放射能の減衰と半減期

放射性物質には時間が経つにつれて量が減り、放射能は弱まるという性質があります。

放射性物質の量の減り方には規則性があり、ある時間が経つと放射性物質の量は半分に減ります。この時間を「半減期」といい、放射性物質の種類によって半減期が決まっています。

例えば、ヨウ素131 は8日間、セシウム137 は30 年間で半分の量に減りますが、カリウム40 は半分の量に減るまでに13 億年かかります。

出典:文部科学省「中学生・高校生のための放射線副読本」より作成